夜の病院での怖い体験
僕は、仕方なしに隆志の後に続いた。
そして、ドアを静かに閉めた。
大学病院には、僕らだけしかいないらしく、物音一つしない。
建物内に明かりが全くないため、僕らは窓からさしこんでくる月の光を頼りに廊下を歩いた。
隆志はどんどん先に進んでいく。
よくこんな暗い中、そんなスピードで歩けるな・・・
って思ったが、ここは隆の通う大学病院。
いつも通いなれているところだからだろう。
そして、先ほどから気になっていたのだが、異様なほど建物内の温度が低い。
真夏なのに、なんなんだろうこの寒さは。
まるで冷蔵庫の中にいるみたいだ。
「この中が解剖室ね。」
隆志は突然言った。「え?」
僕は急に話しかけられ、隆志の方を向いて聞き返した。
「解剖室?」
「そう。解剖の実習があるんだけど、その時この部屋で解剖を行うんだ。」
「だから、解剖させてもらう人がこの中で安置されているんだ。」
隆志が少し高いトーンで説明した。
「解剖させてもらう人?ってことは、、、」
僕は背筋がゾワッとしたのを感じた。
死体が安置されてるところってこと??
医者と違って、ふつうの学生である博史は、人の死に直面したことがない。
足がガクガクするのを感じた。
真夜中のドライブ | 大学病院に侵入 | 不気味な物音 |
一目散に逃げ帰る | 結末、、 | 終わりに |